【No.27】交響曲第5番「フェニックス」

曲概要

作曲したバーンズ氏はアメリカ吹奏楽界の代表的作曲家で、大変な親日家としても有名です。

第二次世界大戦の悲劇によって灰塵と化した日本が、鮮やかに復活を遂げ繁栄した姿を「不死鳥(フェニックス)」になぞらえて作曲されています。

「苦悩を乗り越えて歓喜へ至る」というベートーヴェン以降の交響曲の伝統的様式に基づいた、約45分の大曲です。

この曲の推しポイント!

-第一楽章 Eulogy (哀歌) 第二次世界大戦の悲劇で失われた被害者、日本軍、連合国軍の方々への鎮魂のため書かれています。序奏は、重々しく悲壮な葬送曲で始まります。やがて木管の異様なうねり、金管の大音量のファンファーレによって、戦争の破壊や混乱、悲惨さが表現されていきます。やがて冒頭の葬送曲へと回帰し、憂いを帯びた旋律で静かに締めくくられます。

 

-第二楽章 Scherzo (諧謔) 大戦後のがれきの中から復興し発展を遂げていった、日本人の活気や精神力を表現しています。前楽章から一転して、快活な曲調となります。三拍子のリズムで、明るくスピーディなパッセージで曲が進行していきます。

 

-第三楽章 Reverie (白日夢) 「Reverie(白日夢)」の副題が示す通り、夢なのか、現実なのか、思わず目をそむけたくなるほどの戦争の惨劇を表現しています。序奏からどこか夢心地で気だるげな雰囲気が漂っています。少しずつ楽器が加わっていき、中間部では盛り上がりを見せますが、その盛り上がりもどこか悲しげです。その後、戦死者たちの無念の声かのように、物憂げに音楽は紡がれていきます。

 

-第四楽章 Jubilation (歓喜) 勇気と活力をもって惨劇から立ち直り、今なお未来へ飛翔していく日本の姿をたたえる賛歌です。冒頭では金管の華やかなファンファーレによって、歓喜の想いが歌い上げられます。舞台の左右両側に位置するアンティフォナル・トランペットの立体的な音の響きにもご注目ください。中間部の旋律は、バーンズ氏が日本へ敬意を表して、日本の国歌「君が代」をモチーフとしていおり、木管楽器群のsoloにより紡がれていきます。やがて、冒頭のファンファーレが再び高らかに響き渡り、喜びとともに輝かしくフィナーレへと向かっていきます。

 

曲情報

曲名:交響曲第5番「フェニックス」op.110 (Fifth Symphony “Phoenix”, op. 110)
作曲者:J・バーンズ

出版年:2000年

この曲を一言で言うと:感動!

演奏歴:無し

(早稲田吹奏楽団での演奏歴:早、フィエスタ・ウィンドシンフォニーでの演奏歴:F)

 

Fl. N