【No.56】遥か天鵞絨

曲概要

「遥か天鵞絨」は朴守賢の作曲した吹奏楽曲です。

 

東海大学吹奏楽研究会、静岡県立浜松商業高等学校吹奏楽部、宮城県古川高等学校吹奏楽部、山形県立米沢興譲館高等学校吹奏楽部、

東海大学菅生高等学校吹奏楽部、石川県立金沢桜丘高等学校吹奏楽部、福岡県立小倉高等学校吹奏楽部、フォスターミュージック株式会社

の共同委嘱により2015年に作曲されました。

 

売れっ子朴守賢の全日本吹奏楽コンクールデビュー作です。

この曲の推しポイント!

恥ずかしながら、この曲と出会うまで「天鵞絨」でビロードと読むことを知りませんでした。

東大王とかにクイズとして出てきそうですね。

 

天鵞絨そのものについては「羽毛で覆われた光沢のある布」、という説明がなされることが多いようです。

 

ビロードはポルトガル語の「veludo」もしくはスペイン語の「velludo」が元の音になっていると言われています。

一方天鵞絨という漢字は生地が光沢のある白鳥の翼に似ているところから中国で当て字されたことに由来しています。

その二つが合わさって日本では天鵞絨(ビロード)となったみたいです。

 

大きな真理や現実に直面した時の衝撃や驚愕、それに伴う美しさ。

真っ赤な天鵞絨が世界を包み込み、その奥で美女が人生を弄ぶように舞う姿。

この二つを重ね合わせたイメージによって作曲された曲になります。

 

月並みな感想にはなりますが、全編を通して様々な場面が展開される映画音楽のようです。

それも、アジアンな映画の音楽に聞こえます。

 

幕開けは非常に重々しく、雄大に始まります。

Tp.二本の掛け合いが印象的です。

 

Allegroに突入すると、疾走感のある打楽器、S.Saxのソロ。

そしてTp.のメロディの場面で奏でられるカスタネットがどこかスペイン風な響きを醸し出します。語源に由来するのでしょうか。

ここの対旋律は神。

 

場面は再びどこか物悲しげな雰囲気に。

A.Saxのソロはミュージカルでスポットライト当たってるみたいですね。

 

曲は少しづつ盛り上がりを見せながらクライマックスへと向かいます。

しかし、突如テンポが速くなりどこか不安定な音楽が。

これを繰り返した末に、tuttiで圧巻のラストを迎えます。

最後らへんの中低音金管、最高ですね。

 

もっと評価されるべき、ですね。

 

曲情報

曲名:遥か天鵞絨
作曲者:朴守賢

作曲年:2015年

この曲を一言で言うと:火山灰集めるともらえるやつ、ではない
演奏歴:無し

(早稲田吹奏楽団での演奏歴:早、フィエスタ・ウィンドシンフォニーでの演奏歴:F)

 

Tuba. T