【No.95】リズと青い鳥

曲概要

「リズと青い鳥」は松田彬人の吹奏楽曲です。

映画「リズと青い鳥」、劇場版「響け!ユーフォニアム 〜誓いのフィナーレ〜」にて自由曲として用いられました。

 

この曲の推しポイント!

前作?「三日月の舞」はコンクール自由曲にピッタリの長さなのでカットされませんでしたが、こちらはフルで約22分。

3楽章を中心にしたカットになっていましたね。

 

 

両親を亡くしたリズは街のはずれ、湖のほとりの家にひとりで暮らしている。
パン屋で働きつつも、家族がいないリズはひとりぼっちの生活に孤独を感じていた。
そんなリズは売れ残ったパンを湖にやって来る動物たちに分け与えており、
とりわけ、青い小鳥とは仲が良かった。

そんなある日、ひどい嵐がやって来る。
嵐が過ぎ去ったあと、湖に出かけると青い髪をした一人の少女が倒れていた。
リズが介抱した甲斐もあって少女は目を覚まし、二人は一緒に暮らすようになる。

どこか不思議な少女との生活は楽しく、孤独だったリズにとって少女は特別な存在へとなっていく。
しかしある朝、リズは窓から入って来た青い鳥が少女に姿を変えるのを見てしまい、
少女があの青い鳥だということに気づいてしまう。

少女を空に帰せば自分はまたひとりぼっちになってしまう。
一度手に入れた幸せを手放せるのか……。

自分にとっての幸せと、少女にとっての幸せを考えたリズは、
愛ゆえに、自らの手で幸せな日々を終わらせることを決断する。

あぁ神様、どうして私にカゴの開け方を教えたのですか―――。

自分から離れて自由になるべきだというリズの願いを受け入れた少女が、
小鳥の姿になって飛び立っていくのをリズは見送るのだった。

(パンフレットより引用)

 

一楽章は「ありふれた日々」

リズと青い鳥が出会うまでの日々を描いています。

木管楽器が主題の断片を演奏しながら曲は始まります。

Tp.のファンファーレなどを経て軽やかに進んだ後、Fl.のソロ、そしてOb.が3楽章のソロの断片を演奏します。

リズと青い鳥の一瞬の邂逅ですね。

 

コンクール版ではこの部分カットされています。そういうところにこういうの仕込んでくるのずるいですね。

(ネタバレなので抽象的)

 

二楽章は「新しい家族」

ウィンドマシーンによって表現される暴風。

コントラファゴットとコントラバスのユニゾン。

フレクサトーン。

これらが不気味な雰囲気をかもし出します。

 

Trb.を中心としたメロディが嵐の到来を表した後、リズと青い鳥の出会いの場面です。

Trp.のファンファーレと低音楽器の快活なメロディ。

そしてコラールが二人の幸せな日々を表します。

 

問題の三楽章「愛ゆえの決断」

圧倒的Ob.&Fl.無双。

と思われがちですが、要所のEuphとFg.も熱いです。

Ob.の激しいソロの後、クラッシュシンバルとTp.の衝撃的な音。

ここからソロの主題が他の楽器に受け継がれながら、二人の対話が描かれます。

そしてOb.のカデンツァを経て四楽章へと進みます。

 

最後は「遠き空へ」

Cl.とTp.のソロから始まった曲は、華やかなクライマックスへと進みます。

この楽章のEuphソロがとても好きです。(カットされている)

しかしカットされているのが、アニメの演出として良いのだと思いますが。

 

最後はスネアドラムに導かれた力強い歩みを見せます。

そしてTp.を中心に主題が演奏された後、フィナーレを迎えます。

 

三日月の舞とは違い、邦人吹奏楽のエモさみたいなのを感じます。

具体的にはちょっと天野とか。

 

次の曲もぜひ松田さんに書いて欲しいですね!

原作では激ムズ曲みたいな描写だった気がするので楽しみです。

 

曲情報

曲名:リズと青い鳥
作曲者:松田彬人
作曲年:2018年

この曲を一言で言うと:ギリネタバレしてない
演奏歴:なし

(早稲田吹奏楽団での演奏歴:早、フィエスタ・ウィンドシンフォニーでの演奏歴:F)

 

Tuba.T