曲概要
交響曲第2番「サバンナ・シンフォニー」はフィリップ・スパークの楽曲です。 P. スパークと言えば私たちの団の由来にもなった「Fiesta!」ですね。
サバンナシ・ンフォニーの「サバンナ」とは「アフリカなど熱帯・亜熱帯地方の草原」ではなく「アメリカ合衆国、ジョージア州東南部にある港湾都市サバンナ」のことを指します。
この曲はジョージア州サバンナにあるアームストロング・アトランティック州立大学の創立75周年を記念して委嘱されました。
P. スパークは初めてサバンナを訪れた時からこの街に魅了されており、名誉ある街とその歴史を称える曲の委嘱を受け大変喜びました(作曲者HPより)。 初演は2010年11月に作曲者指揮で同大学において行われました。
この曲の推しポイント!
この曲は以下の①イギリス人のサバンナ植民、②綿工業による発展、③南北戦争とその後、をテーマとした3楽章から構成されています。
1.Yamacraw Bluff, February 12th, 1733(1733年2月12日、ヤマクロウ岬)
2.The Cotton Gin(綿繰り機)
3.A City Born and Reborn(街の誕生と再生)
(カッコ内は筆者訳のため誤っている可能性があります)
印象的な部分の多い楽曲ですが、中でも1番印象的なのは何といっても第3楽章のピッコロとスネアドラムのオフステージの演奏です。
木管楽器のゆったりとした主旋律を無視するかのように、2本のピッコロとスネアによる小気味よく愉快なメロディーが入ってきます。
ピッコロ達が入ってからも木管のゆったりとしたメロディーは続きますが、最終的には金管楽器もピッコロと同じメロディーを吹き始め強引に主旋律を変えてしまいます。
不思議な曲の展開と相まって、非常に愉快に聞こえるピッコロのメロディーですが、元となった「ジョージア行進曲」は「南北戦争」における軍の行進を題材としており、サバンナ・シンフォニーの中でも軍隊がサバンナへと近づいてくる情景を表しています。
そのため、可能なら軍隊で使用する本物の横笛と太鼓を使うことが推奨されているようです。 なお、当時のサバンナ市長の活躍によりサバンナの街は戦火を免れたそうです。
もう一つ印象的な点をあげるとすると第2楽章において一定のリズムで聞こえてくる金属音です。
第2楽章の冒頭等で聞こえてくる金属音はサバンナの綿工業で使われた「綿繰り機」が動く音を表しています。曲調と合わさり、せわしなく働いている様子が目に浮かびます。
余談ですが、綿繰り機とは綿から種を分離する道具でホイットニーによって開発されました。世界史で聞いたことがある人も多いのではないでしょうか? 20分超と少し長い曲ですが、様々な仕掛けがあり聞いていて全く飽きの来ない作品です。
曲情報
曲名:交響曲第2番「サバンナ・シンフォニー」
作曲者:P・スパーク
作曲年:2010年
この曲を一言で言うと:ピッコロの空気読めない感じが好き
演奏歴:無し
(早稲田吹奏楽団での演奏歴:早、フィエスタ・ウィンドシンフォニーでの演奏歴:F)
Fl. K