曲概要
「銀河鉄道の夜」は樽屋雅徳の吹奏楽曲です。
フォスターミュージックの委嘱により、2016年に作曲されました。
宮沢賢治の同名の小説がモチーフとなっています。
この曲の推しポイント!
小説「銀河鉄道の夜」の展開に合わせて、曲は7つの場面に分かれています。
冒頭は「ケンタウル祭の夜」
主人公ジョバンニはこの日、父の不在をからかわれた失意の中星空を見上げます。
最初聞いた時、井○昌樹さん!?!?!?!となりました。グロッケンが神秘的です。
Clの無伴奏ソロがジョバンニを表現しているのでしょうか。
「銀河ステーション」という声が突然聞こえてきて、ジョバンニは光の中に包まれます。
そして気がつくと、親友カムパネルラと共に銀河鉄道に乗り込んでいました。
ここから、二人の旅は始まります。
♩=144のテンポで勇ましい音楽。常に細かい音符による伴奏が続き、焦燥感を掻き立てます。
化石を発掘する学者と会った「北十字とプリオシン海岸」
A.Saxのソロによって奏でられたテーマが他の楽器に受け継がれていきます。
「鳥を捕る人」は愉快な人で、ジョバンニたちにお菓子にしか見えない鳥を分けてくれます。
この場面ではそのやり取りを軽快なワルツとして描きます。
後半になると徐々に不穏な空気が醸し出され、その中でよく見知ったフレーズが顔を覗かせます。
そして「タイタニック号の悲劇」に巻き込まれた乗客に遭遇します。
現場の混乱を現すこの場面では、この曲の中で最も不穏で激しい音楽です。
そして、「鳥を捕る人」の終盤にも出てきた見知ったフレーズ「マードックからの最後の手紙」のフレーズが何度も顔を見せます。
旅の最後に二人は「本当の幸福」について語り合い、ずっと一緒に行くことを約束します。
Obのソロとそれに呼応するTpのソロ。そして曲はクライマックスを迎えます。
夢から覚めたジョバンニはカムパネルラが死んでいたという事実を知ります。そして本当の幸福とは、と問う「ジョバンニの切情」
前場面でクライマックスを迎えた曲は一度G.P.のような休止を挟み、テンポを失います。
そして、スネアに導かれるように急激なaccelがかかり、♩=180へと到達します。
曲の最後に鍵盤楽器とピアノで奏でられる八分音符16個が連なったフレーズが、ジョバンニの父が帰宅するという知らせを示し、その喜びのまま曲は終わります。
非常に良い意味で、僕の知っている樽屋雅徳とは違う曲でした。
一番好きかもしれないです。マードック出てくるのマジ神。
曲情報
曲名:銀河鉄道の夜
作曲者:樽屋雅徳
出版年:2016年
この曲を一言で言うと:小説とかでよくある、過去作の登場人物でてくるやつじゃん
演奏歴:無
(早稲田吹奏楽団での演奏歴:早、フィエスタ・ウィンドシンフォニーでの演奏歴:F)
Tuba. T