【No.36】バレエ・サクラ

曲概要

作曲者のホルジンガー氏は一時期教会に勤めていたことがある。その経験から教会音楽に関しても精通しており、そのエッセンスが彼の作品に反映されることも多い。

 

本作品はローマ・カトリック教会や英国国教会、ルーテル派、メソジスト教会などで用いられている典礼文を基にして作曲された。 ホルジンガー氏の作品は躍動的で華やかな作品が多いと言われるが、この作品もそのうちの1つと言えるだろう。

 

冒頭、金管楽器による華々しいファンファーレに始まる。その後、強烈なホルンによる旋律が始まり曲は展開していく。5拍子によって演奏され、軽快にリズミカルに演奏される。ホルジンガー氏の世界が存分に表出する。
中間部では男声・女声による詠唱が入る。キリスト教のミサから「Gloria in Excelsis Deo」(天のいと高き所には神に栄光)「Quoniam tu solus sanctus」(主のみ、聖なり)と詠われる。

 

これに呼応するかのようにトランペットソロが途中から合流し、教会音楽の雰囲気が強くなる。
トランペットソロが終わった後、前半部の雰囲気が一瞬顔を見せるが再び詠唱が入る。

 

ユーフォニアムによる軽快な旋律が始まるといよいよ曲はクライマックスへと進む。前半部の勢いを取り戻し、これまでに奏でられた旋律が様々な楽器で再現されつつ徐々に曲は盛り上がる。なお、最終部は急に静けさが場を支配し「Dona NObis pacem」(我らに平安を与えたまえ)と詠唱して、曲は終わる。

 

この曲の推しポイント!

作曲者のホルジンガー氏は1945年12月26日にアメリカ合衆国・ミズーリ州で生まれた,吹奏楽の作曲家として著名な人物である。

 

ホルジンガー氏の作品のうち、「春になって、王達が戦いに出るに及んで」や、当楽団の第3回定期演奏会にて演奏した「スクーティン・オン・ハードロック〜3つの即興的ジャズ風舞曲〜」などが演奏されることが多い。

 

この作品はホルジンガー氏の得意とする華やかで軽快な雰囲気の部分と氏のもつ教会音楽への造詣の深さがコラボした、二面性のある曲と言える。 特に中間部の厳かな雰囲気の作り方、その美しさには脱帽する。

 

ユーフォニアムソロは重要な役割を果たしており、奏者としてぜひ取り組んでみたい。 男声・女声の詠唱もこの曲における重要なパーツである。 前半部、および終盤部での盛り上がりもかっこよい。

特に5拍子は筆者のツボであり、筆者が好む曲の共通項として挙げられる。

また木管楽器は比較的せわしなく動くが金管楽器はゆったりと大きなフレーズを奏でるというのもまた、筆者の押しポイントである。 演奏したことはまだないが、演奏した暁には何かにとり憑かれたかのように集中して取り組める、そんな楽曲であろう。

 

曲情報

曲名:バレエ・サクラ
作曲者:D・ホルジンガー

出版年:1990年

この曲を一言で言うと:15分の演奏時間を短いと思わせる神曲
演奏歴:無し

(早稲田吹奏楽団での演奏歴:早、フィエスタ・ウィンドシンフォニーでの演奏歴:F)

 

Euph. K